備忘録

フェンシング

■西洋で16世紀以降出現した、それまでの両手剣とは異なって、突くことを目的とする刀身の長い刃の薄い剣のことをラピエール(ラピア、レピャー)と言う。これがフェンシング(特にフルーレ)の祖。

■フェンシングで用いる剣はフルーレ、エペ、サーブルの3種。フルーレがすべての基本となる。サーブル以外は攻撃として剣先での突きしか出来ない。

■フルーレは極めて柔軟な鋼鉄製。
競技でのターゲット(ポイントとなる有効面)は頭と腕を除く上半身。
剣の全長は110cm以下、剣身は90cm以下、重量500g以下。
刃の断面は四角か矩形。
ピスト(競技場)は1,8m(幅)〜2.0m×14m(長さ)。
男子は10分5本、女子は8分4本勝負。
繊細なテクニックの攻防を競う。
身体を十分に伸ばして突く優美なフォームを特徴とする。

■エペは決闘用の剛直な剣。
ターゲットは全身。
剣の長さはフルーレと同じで、全長110cm以下、剣身90cm以下、重量770g以下。
刃の断面は三陵で、三角形の最大幅は24mmまで。
ピストは1,8〜2,0m×18m。
5分3本勝負で男子のみ。
鍔音も激しく男性的な豪快さを伴う。
スピードとリズムの変化、相手の隙に鋭敏になることが重要。

■サーブルは軍隊訓練用の剣。
ターゲットは上半身。刺突、斬撃とも得点になり、フロントエッジの全体、バッグエッジ(裏刃)の先の方3分の1、剣先で攻撃できる。
剣の全長は105cm以下、剣身は88cm以下、重量500g以下。
刃の断面はY字かV字。
ピストが1,8〜2.0m×14m、10分5本勝負という点はフルーレと同じ(サーブルは男子のみ)。
サーブルの試合のみ、電気的審判器を使用しない。
斬り込み、斬り返しの妙味、連続技による技術を楽しむ、見た目にも華やかな競技。

■フルーレとサーブルは「慣習の武器」と呼ばれ、斬ってきたものは必ず受けてから切り返さなければならない。エペは「決闘の武器」と呼ばれる。

■フェンシングは剣道と違い、少しでも血を流したら負けになる。そのため強く突いたり斬ったりすることよりスピードを重視する。

■名称
剣先=ポイント、剣身、刀身=ブレード。
ブレードのうち、ポイントに近い方から順に、細い部分=フィーブル/フォイブル、中央部=ミドル、太い部分=フォルト。
鍔=ガード、柄=グリップ、柄の底についているねじ(バランスを取る役目もある)=ポンメル

■引用・参考文献
「旺文社スポーツシリーズ21 フェンシング」佐野雅之、1957、旺文社
「図解 新しいフェンシング」山本耕司、1964 、ベースボールマガジン社
「現代体育スポーツ体系22」浅見俊雄ほか編、1984、講談社


inserted by FC2 system